国立国語研究所が所蔵する『金剛頂一切如来真実摂大乗現証大教王経(嘉応二年加点本)』の画像を公開しています。
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資料解説

 『金剛頂一切如来真実摂大乗現証大教王経』は、唐の天宝12(753)年に不空が訳出した漢文テキストで、『大日経』と並ぶ密教の代表的経典である。
 当該資料は、院政期(平安末期)写と推定される書写本である。巻子装三巻揃(巻第一:請求記号 W8/J52/1、資料ID 1001160579、巻第二:請求記号 W8/J52/2、資料ID 1001160546、巻第三:請求記号 W8/J52/3、資料ID 1001160553)。楮紙黄染。総裏打。一紙の寸法は、紙幅24.6cm、紙長54.5cm程度。界高(墨界)は19.8cm、一紙は28行か29行。巻第一は15紙(421行)、巻第二は17紙(372行)、巻第三は16紙(381行)。各巻とも巻首部分が一部欠損しており、欠損部分が後補されている。
 また、当該資料には、院政期の訓点が施されている。移点奥書によって、白筆(喜多院点)の加点は嘉應2(1170)年と知られる。
  (巻第一奧書) 嘉應二年十月十四日於東小田原來迎院移點畢
                             金剛佛子蓮惠
  (巻第二奧書) 嘉應二年十一月十三日於東小田原來迎院移點畢
                             金剛佛子蓮惠
  (巻第三奧書) 嘉應二年十一月十九日於城州小田原山來迎院移點畢
                       爲興法利生也 金剛佛子蓮惠

更新履歴

 2014.10.01 ビューワを変更

 2012.07.25 巻第二、巻第三を試験公開

 2012.03.05 巻第一を試験公開


国立国語研究所共同研究プロジェクト「訓点資料の構造化記述」

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