国立国語研究所が所蔵する『金剛頂一切如来真実摂大乗現証大教王経(院政期写本、巻第三のみ)』の画像を公開しています。
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資料解説

 『金剛頂一切如来真実摂大乗現証大教王経』は、唐の天宝12(753)年に不空が訳出した漢文テキストで、『大日経』と並ぶ密教の代表的経典である。
 当該資料は、院政期(平安末期)初期頃写と推定される書写本である。巻子装一巻。巻第三のみを存する零本(請求記号 W8/J52、資料ID 1002330668)。楮紙。総裏打。一紙の寸法は、紙幅26.4cm、紙長53.0cm程度。界高(墨界)は21.2cm、一紙は29行。全15紙(377行)。奥書・識語なし。
 また、当該資料には、全巻にわたって朱筆と墨筆の訓点が施されている。朱筆は、句読点、雁点、語順点、合符、声点など、主として記号である。墨筆は二筆認められ、どちらも主として片仮名による書入である。朱筆・墨筆ともに、ヲコト点の記入は確認できない。朱筆、2種の墨筆の書入時期と順番については、今後の詳細な検討が待たれるが、院政期から鎌倉時代にかけての書入と推定される。
 藤井永観文庫旧蔵(巻首・巻末に蔵書印あり)。古筆宗家第13代了信の添簡を付す。

更新履歴

 2015.9.11 公開

 

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