国立国語研究所が所蔵する『古今文字讃』の画像を公開しています。
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資料解説

 『古今文字讃』は、古文篆、籀文篆など21種類のいわゆる雑書体について、書体の用例を添えて解説した本である。中国で編纂され、日本に伝来した。
 弘法大師空海の『性霊集』に、嵯峨天皇に献上した本の目録がある。そこに「古今文字讃三巻」とあることから、遣唐使とともに中国に留学した空海が、『古今文字讃』を日本へ伝えたと考えられている。国立国語研究所蔵本は空海伝来テキストの末流の一写本となろう。讃の書体用例を大幅に省略した抄録本であるが、日本国内に現存する『古今文字讃』の写本は少なく、上中下三巻が揃っているのは国立国語研究所蔵本だけである。
 巻子装三巻揃(上巻:請求記号 W171/Ko44/1、資料ID 1001154291、中巻:請求記号 W171/Ko44/3、資料ID 1001154192、下巻:請求記号 W171/Ko44/2、資料ID 1001154168)。楮紙。裏打。一紙の寸法は、紙幅27.0cm、紙長42.0cm程度。上巻は8紙、中巻は6紙、下巻は8紙。
 下巻の巻末に書写奥書があり、三条西実隆の花押がある。国立国語研究所蔵本は、文亀6(1503)年に三条西実隆が世尊寺行季に書写させた本であることがわかる。
  (下巻巻末書写奥書)
    右雇右兵衞佐行季筆
    令書寫了
      文龜癸亥六月上旬
             (花押)

更新履歴

 2014.10.01 公開

 2013.10.01 試験公開

 

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